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art work MIKITAMAKI

2020年 緊急事態宣言を機に始まった、DamaDamTal みきたまき の自由行動の記録。

ある種の日記 / Some sort of diary
コラージュ(2022年)2人展 個人焦点 2

material:ミクストメディア

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個人焦点 2 / Individual Curious Exhibition
→体感展企画室

石(作為のかたまり) / Stone,lump of act
パフォーマンス(2022年)2人展 個人焦点 2

material:使われなかったパフォーマンスのチラシ

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平熱で見る夢 / No Fever Dream
コラージュ(2022年)2人展 個人焦点 2

material:ミクストメディア

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浅草育ちだったおじいちゃんは

「スパゲッティはフォークだけで食べなさい。スプーンを使うのは格好が悪い。」と言っていた。
ある日、その江戸っ子の祖父の家の畳の上に
迷い込んだ1匹のアリンコを見つけて、虫眼鏡で観察した。
縁側から入る日差しをレンズ越しに受けて、
明るく照らされた蟻は燃えて畳に小さな焦げ跡を残した。
祖父に怒られないように、わたしはその焦げ跡をクレヨンで塗りつぶした。

その夜わたしは熱を出した。

熱が出るといつも、布団の中で点々と宙に浮かぶお皿を

一つ、また一つ、と跳んで渡らなければならない。
跳び移るたびにお皿は大きく揺れて落ちそうになる。
ついに落ちてしまった瞬間に目が覚める、
そういう時は熱を測ると37度5分を超えている。

時々、アリンコを思い出す。

アリンコはウルトラマンに似ていて、
わたしは子供のウルトラマンになってオレンジ色の料理が並ぶブュッフェにいく。
もう3分をとっくに過ぎてしまったはずなのに、むし暑くて1歩も前に進めない。
今日はこのぶんだとひと雨くるかもしれない。
そう思って窓の外に目をやると厚い雲の下にはキャベツ畑が広がっていた。

畑の向こうから、子供じゃないウルトラマンがウーバーイーツを運んで来て
「ジャンケンをしないとスパゲッティは渡せない。」と言いだした。
グーを出すフリをしてお金を渡そうとしたけど、手のひらを開いたら何も無かった。
「これはある種の戦いで、これはある種の自由ってやつです。
ハサミが石に勝つことも、ウルトラマンがアリンコに負けることも自由です。」
カラータイマーが静かに点滅する、3分が経ったのだ。お皿には雨が落ちてきた。

気づけばもう何年も、お皿からわたしが落ちることは無い。

変温動物の蟻の限界体温は何度だったんだろうか?
今日もわたしは平熱を保っていて、スパゲッティにスプーンは使わない。

 

text:平熱で見る夢 / No Fever Dream (2022年)
 

目の前には必然が転がっている / Inevitability lies before us
パフォーマンス(2022年)個展 目の前には必然が転がっている

material:油彩、キャンバス、ミクストメディア

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ナポリタンくらいしか食べる気がしない / I only feel like eating “Neapolitan”

パフォーマンス(2022年)個展 目の前には必然が転がっている

material:ナポリタン、キャンバス

食堂でお昼ごはんを食べていたら
「ここ空いてますか?」と言って、1学年上の男子2人が目の前の席に座った。

2人はどちらも美少年で校内でも目立つ存在だ。

一瞬視界が明るくなったのも束の間、わたしに暗雲が立ち込める。

美しい2人の前でご飯を頬ばる自分の姿を想像しただけで恐ろしい。
しかもなぜ今日に限ってナポリタンなんか食べているんだろう。

わたしは食べかけのナポリタンを持って、そそくさと席を立った。

階段を上がっていくと、6畳ほどの畳の部屋で3人が布団に横になっていた。
3人は有名なハリウッド俳優で、今から世界を救いに行くはずなのにひどく体調が悪いという。
手前に寝ている丸坊主の女優に

「髪どうしたの?(あんなにゴージャスだったのに…)」と聞いたら
「自分の頭皮を見てみたくなったの」と答えた。

とにかく今は寝ていて下さい。
わたしに世界が救えるかわからないけど行ってくるから、

年に2回くらい、ガリガリ君の夢を見る
それは砂糖と空気中の小さな繊維との戦いで

わたしは非常に微細な動きを求められる。

細心の注意を払って階段を降りると、パン屋のおばさんに似た女性が、
1冊のハードカバーを持って「この本を借りたいんだけど…」と話しかけてきた。
あ、それはあの3人のヒーロー&ヒロインが読むはずの台本だけど、

今はみんな寝てるからどうぞ読んで下さい。

本のタイトルが見えた

『棒の中は曇り空』

目が覚めても覚えていられるだろうか。

今日も、ナポリタンくらいしか食べる気がしない。

text:今日もナポリタンくらいしか食べる気がしない

I only feel like eating “Neapolitan”again today. (2022年)
 

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棒の中は曇り空 /The sky is cloudy inside the bar

パフォーマンス(2022年)個展 目の前には必然が転がっている

material:ガリガリ君、キャンバス

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忘れもの薬局 / Forgotten Item Pharmacy
インスタレーション(2021年)中之条ビエンナーレ2021

material:中之条町の皆さんの包装紙、小池薬局の忘れもの

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表参道の屍 と 野口さんのネクタイ

自由行動(2021年)個展 七夕の夜に晴れる確率

material:表参道の屍、ミクストメディア、野口さんのネクタイ

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七夕の夜に晴れる確率


小さな黒い犬と暮らしていた
散歩が嫌いな
猫みたいに鳴く
てけてけ歩く
ごはんを残さない
日向ぼっこが好きな

小さな黒い犬のきみ

7月7日がきみの誕生日だったから
毎年夜空を見上げるけど
なかなか会えないのも
面倒くさがりのきみらしいね

 

 

野口さんから、7月に個展をしませんか?
と声をかけて頂いて、七夕からにしましょう、となった。
七夕はわりと特別な日で、わたしはこの事を避けては過ごせない。
生まれてから死ぬまでの旅の中のすべての偶然
実は近くにある夢と似た何かについて
思いを馳せる時間になったら嬉しい。

壁 / Wall specimen
自由行動(2019~2021年)個展 七夕の夜に晴れる確率

material:インクジェットプリント

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表参道の屍 / The corpse lives in Omotesando
パフォーマンス(2021年)3人展 個人焦点

material:表参道の屍、ミクストメディア、映像(キャプション)

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東京の自由 / Freedom of Tokyo 
パフォーマンス(2021年)3人展 個人焦点

material:「ご自由にお持ちください」からのもらい物、ミクストメディア

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個人焦点 / Individual Tokyo Exhibition
→体感展企画室

落とし物 / Lost property
自由行動(2020年)

material:アルミ缶、ワイヤー、アクリル絵具

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ユーカリの75年と、とし子さんの98年についてのパフォーマンス譜 “目には見えないもの”

コラージュとトレース(2020年8月13日)

material:被爆樹木ユーカリの落葉、木綿糸、水性ペン

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#ブックカバーチャレンジ

パフォーマンス (2020年)

material:SNS、家にあるもの、本

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#ブックカバーチャレンジ

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく緊急事態宣言の続く日本で、新しいウイルスが確認された。

オンラインでのコミュニケーションに躍起になっている国民をあざ笑うかのように、なんとそのウイルスはSNSを通して拡大し、先ずは本人ではなく所有する“本”に感染する。

ウイルスに感染した本からは次々と“内容”が奪われ、一定の潜伏期間の後に所有者本人の知力が著しく低下するだろうという予測がなされた。

ウイルスの感染を防ぐには、全ての本にブックカバーをつけて不要不急の読書を控え、必要な時は速やかに開き速やかに閉じるように、との専門家のアドバイスも発表される。

それを受けて都市部を中心にブックカバーの買い占めが始まり、瞬く間に爆発的に全国に広がった。書店で購入した際に無料で配布されるブックカバーも底をつき、さらにはそれを不正に高額で転売する者も現れた。

国民はあらゆる紙を使って家中の本にカバーを付け始め、皮肉にも外出自粛がその行動に拍車をかけていった。

「これでは紙自体も不足するのではないか?」

「この際、優先度の低い本のページを使うべきではないか?」

「優先度が低い、とは何様のつもりだ?!」

などと怒号が飛び交い、国民は半ばパニックに陥った。

この事態を重く受け、政府は全世帯に布ブックカバー2枚を配布したが「サイズが合わない」「本の虫が混入している」などのトラブルが多発しており未だ事態は収束する兆しがない。

そんな中、誰が始めたか定かではないが#ブックカバーチャレンジが始まった。

一体どんな物で本をカバーする事が出来るのか?

もう一度、7日間冷静に考えてみよう。という勇敢なチャレンジだ。

わたしもSNSによってすでに感染しているかも知れず、

大事な本の“内容”とわたし自身の知力を守るため一刻を争う。

よって本日から7日間の#ブックカバーチャレンジを開始する。

そうじゃない明日 / Another Tomorrow

インスタレーション (2020年) 展覧会的行動 @rusu目黒 と SNS

material:家にあるもの、自分の言葉

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無関係な春との関係。

“春に会いましょう”

約束が次々に蒸発していったけど

関係無く春はやって来た

約束を忘れられたような空き地に

黄色い菜の花が

勝ち誇ったように群生していた

そうですね、そうですよ ね

“また春に会いましょう”

​夢のカサカサ

行く宛が無くて 濁った水面を見つめていると オレンジの色をした毛皮が 足元に打ち寄せられてきたから それを少し千切って 足の甲にのせてサンダルにした。 スキンヘッドのおじさんが 水面に顔を出して 千切った毛皮のサンダルを 紐で結んで仕上げてくれた。 オレンジの色の千切った毛皮のサンダルで 波打ち際を歩くつもりなのに あたり一面真っ白だ 黒とベージュの2色でできた海綿が 足元に転がってきた イッセイミヤケのセーターみたいだ と思ったけど わたしはイッセイミヤケの セーターを知らない。 黒とベージュの海綿を持て余して 真っ白な雪の斜面に目をやると ラベンダー色の大きな大きなシダの葉が 頂上から大気に流れて降りてきて カサカサと音がする 手を伸ばそうとしたわたしの足元には まるでパーティーのウィッグみたいな 真っ黄色の毛で覆われて 目も鼻もわからない小さな犬が転がってきた。 ラベンダー色のシダの葉に向かって 千切れそうに尻尾を振りながら吠える うるさいな、わかったわかった あれは貴方にあげるよ。 わたしは押し入れの中を探す カサカサと音が聞こえて 手にしたものは土嚢袋だった。 そういえば、わたしは一歩も外に出ていない。

解体心象。

いつの間にか着なくなった服 いつの間にか着れ なくなった服 以前はよく古着屋に売りに行った 昔むかしは割と良いお小遣いになってそれでまた服を買った 今は下北沢の古着屋へ行っても二束三文 江戸時代には草履が2束で3文 銭形平次が投げたのは四文銭らしいから草履なら3束分だな

とにもかくにも今の現代では古着を街で売っても草履は1足も買えない そもそも今の現実では街にも行かれない 服は溜まり服は売れない服は買えない 服を着てどこへ行けると言うのか 現代の現実が立ちはだかるこの部屋でわたしは彼らと新しい出発をすべく ハサミを手に立ち上がった…

寝床に咲く花。

時間というのは本当に川みたいだな と有名な歌じゃないけど最近つくづく思う

立ち止まろうと浮かぼうと泳ごうとサラサラゴウゴウ流れていくし

冷たかったり温かったり澄んでいたり汚かったり…川は行く先を変えずどんどん流れる

しかしわたしがここに足を浸して立っている事は全くの無関係でもないはずだ

否応なく時間の流れについて考える事が極端に多くなっている、だから何だと言うわけでもないけど

“寝床に咲く花”は少し前にやる予定をしていた個展のタイトルだったが

川に流されてなんだか遠くに行ってしまった

捕まえられなかった思い出を泳いで獲りに行く気にはなれない。

そうじゃない明日 / Another Tomorrow
→展覧会的行動 @rusu目黒(2020年)

all © MIKITAMAKI / DamaDamTal